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【プロゲーマー梅原大吾】書籍『1日ひとつだけ強くなる』

プロゲーマー 梅原大吾

この動画有名よね。
ストリートファイター3の世界大会で、ギリギリまで追い詰められた状況からの大逆転劇。

瞬間のオーディエンスの盛り上がりがすごいから、ちょっと見てよ。

 

この逆転をしたのがウメハラ。
格ゲーの古参プロゲーマーで、伝説の人。
というか、ウメハラが日本で一番最初にプロになったのだそうだ。

彼の本『1日ひとつだけ強くなる』を読みました。
ビジネス書っていうの?ジャンルがよくわからないけど、うまく生きるためのコツみたいなジャンル。

結論から言うと、とても勉強になる良い本だった。
仕事でも私生活でもどっちでもいいのだけど、向上心のある人は読んでほしい。

日々成長をするための心構えみたいなものが学べる。

あ、でも格ゲーを少しはやったことある人でないと、雰囲気は伝わらないかも。

プロゲーマーの印象とウメハラの印象

ぼくはゲームが大好き。

子供の頃からずーっとゲームが好きなおじさんだから、ゲーム自体には偏見がないし、プロゲーム業界はもっと盛り上がってほしいとも思う。

最近はeスポーツなんて取り上げられていて、(盛り上がってない気がするけど)認知度は上がってきたと思う。

誰しもスマホを持つ時代になって、若い年齢から中高年をふくめ、多くのひとがスマホゲームをやるなかで、ゲームに対する世間の印象もだいぶ変わってきたと思う。

昔は、大人になっても「ゲームが好き」と言っている人は、オタク以外の何者でもなくて、世間の冷たい視線をあびていた。

でも今は、『良く思っていなかった人たち』も、スマホでゲームをやっちゃってる手前、他人のことを言えない ⇒ ゲームは悪くないんじゃないか、と雰囲気ができあがってきたのではないだろうか。

さてさて、プロゲーマーだけど、ゲームにもジャンルがあるし、同じジャンルでもゲームが違えば、同じプロでも全く違う領域だ。

例えるなら、”格闘ゲーム”と”カードゲーム”では、”水泳”と”陸上競技”ぐらい違う。

また、同じ”格闘ゲーム”というジャンルでも『ストリートファイター』と、『キングオブファイターズ』だと、『400m走』と、『走り幅跳び』くらい違う。

だから、ウメハラに関しても、ストリートファイターのプロであって、ほかのゲームのプロでは無い。

と、知らない人向けに前提を話したうえで、ぼくのプロゲーマーに対する印象だけど、格ゲーのプロは、ちゃんとした大人な人のイメージ

特にウメハラは、常に冷静でクールなイメージ。
世界的な大会でも、どんな状況でもポーカーフェイス。
クールなだけでなくて、ユーモアな一面も持ち合わせている、そんな印象の人だった。

ぼくは今は格ゲーをやらないので、たまにYoutubeでみるくらいの少しのファンだったが、今回Amazonでセールやってたので、ちょっと面白そうだなと思って購入したのが、この本との出会い。

でもね、芸能人とか、スポーツ選手とか、有名人が書いた本って、たいがいは内容がスッカスカな本が多い。

その著者のファンは熱狂して楽しく読めるのだろうけど、そうでない人には無味乾燥で、途中で放り投げたくなるような本が多い。

だから、このウメハラの本も興味はあったけど、正直なところ期待はしてなかった。
格ゲーのプロってどんな雰囲気なのか知れればいいや、くらいに思っていた。

本の内容は、7割はウメハラの人生論?みたいなもの。
格ゲーを通して、プロのゲーマーとして、トッププレイヤーとしていかに成長していくことが重要か、またどうやって成長するのか、ということが書かれている。

残りの3割は、ウメハラが過去に実績を上げた世界大会を振り返って、当時どんな心境で臨んだのか、どんな気持ちで闘ったのか、といったことが書かれている。

全体として、すべての章で、ひとつひとつが勉強になる内容だった。
格ゲーをやったことがある人は、きっとほかのビジネス本より、わかり易いんじゃないかな。

上で3割と書いた、世界大会の振り返りのところも、その試合の様子がYoutubeにあるので、本を読みながら試合を見ると、すごい臨場感があって、グッとくるのでオススメです。

心に響いた言葉

みんなに読んでほしいので、細かくは書きませんが、心に響いた箇所をいくつか。

腹をたてるのは「相手をコントロールしたい」気持ちがあるから

闘っていて、相手にイライラすることもあるけれど、それは「相手が自分の思うとおりに動かない」から腹が立つのであって、相手をコントロールしようと考えなければ、腹はたたない。

ゲームにかかわらず、私生活でも「そうだよねー」て思った。

特に結婚して奥さんと暮らすようになると、特に思い当たる節があるわ。

正しいことを積み重ねた先の個人差。それが「個性」

他人と違うことが個性なのだけど、個性は自分ですすんで作り出すものではない。

ただただ実直に、目的に対して正しいことをずっとずっと積み重ねて一定のレベルに達したとき、そこで表れる他人との差が個性だ。

すげー達観してるなと思ったが、おじさんになったぼくは、今ようやく「なるほど」と思えた。

ぼくの若いころに、これを教えてあげたい。

他人と違うことをやって「オレって格好いい」みたいな、黒歴史みたいなのって誰でも一度は経験してるんじゃないかしらん。

1日ひとつだけ強くなる

成長の実感 ⇒ モチベーション(および練習) ⇒ 成果 ⇒ 成長の実感 ⇒ モチベーション(および練習) ⇒ 成果

これは成長のループだそうだ。

とにかく、毎日このループを維持することを、意識の中心にすえるといいらしい。

ループを維持するコツとして、今日1日を思い返してみて、昨日より成長したことや気づいたことをメモすると良いのだそうだ。

そしてとても重要なのは、その成長や気づきの内容が、小さなことで構わないということ。
ハードルを上げてしまうと、続かなくなってしまうから、だって。

数あるビジネス本は、あらゆるノウハウが書かれているけれど、普通の人には続けるのが難しいし、読むだけで満足してしまうと思うのだけど、これなら誰もが簡単にできそうで、続けられそうだ。

モチベーションを維持するって重要だけど難しいよね。

ほかにも沢山

ほかにも沢山あるのだけど、

  • 不確実な圧勝より、60対40で着実に勝つほうが強い

  • 目的が「優勝」になると、優勝した時点でその人は急激に弱くなる。

  • 燃え尽きるのはアマチュア。同じ姿勢で走り続けるのがプロ

  • やれることを全部やった。負けたら、凄い発見がある。

プロゲーマーとしてトップにいる人の考えは、こう考えるんだなーと、大変おそれいりました。

ぼくは真似できるかわからないくらいストイックだけど。

さいごにひとこと

ウメハラは強いプレイヤーと闘うために、とにかくゲームセンターに通ったのだそうだ。

ぼくもゲーセンに、昔はよく通っていたし、店員としてアルバイトしていたこともあった。

数日前のニュースで、セガサミーがゲームセンター事業から撤退とのことだ。

もうゲーセンは終わりかね、悲しいけど。

昔は、ゲーセンのゲームは家庭用ゲーム機よりも、圧倒的なハイスペックなゲームが遊べたし、当時は人と対戦するにはゲームセンターに行くしか無かった。

今や、その強みがすべて無くなっちゃったからね。

とまあ、そんなところです。

繰り返しになりますが、本をたくさん読むぼくがオススメできる本です。

下手なビジネス本よりも読みやすいし、役に立つ知識がつまっています。

Youtubeでウメハラが慶応大学で講演した映像もありました。

ゲームをやらない人も含む一般のひとを前に講演しているため、わかりやすいし話もおもしろいです。

時間があったらこちらも見てみてください。

 

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