どうも、こんちは!てんむすです。
『超常現象をなぜ信じるのか』という本を読んだのですが、予想外(著者には失礼ですが)に良い本だったのでご紹介。
ぼくが、違和感を感じていることを、すごくわかりやすく論理立てて説明してくれた本でした。
この本では、いろいろな超常現象を例にとって、客観的に・ロジカルに解説していて、どもれわかりやすく面白いので、興味が湧いたら読んで見てください。
ちなみに、著者の菊池聡氏は、「超常現象が無い」とは一言も言っていません、ということはフォローしておきます。
三浦半島の異臭騒動は大地震の前兆?
さて最近、神奈川県の三浦半島、とくに横須賀市と横浜市で異臭騒ぎが頻繁に起こっている、というニュースを良く見ます。日に日に報道される回数が増えていっています。
「ガスの臭いがした」とか、「何かが焼け焦げたような臭い」とか、言われていますが、これに関連して、この頻発する異臭は「大地震の前兆」なのではないか?という話が聞こえてきています。
最初はこの「地震の前兆」説はインターネットで囁かれていただけですが、最近はニュースでも取り上げられるようになり、挙句の果てには「関東大震災のときにも異臭騒動があった」とか、「昔の文献でもあった」ということも言われ初めています。
しかし、ぼくはこのニュースにすごく違和感を感じていて、懐疑的に見ています。
話は変わりますが、クジラやイルカが海岸に打ち上げられるニュースがたまに流れることがあります。
そのたびに「大地震の前兆だ」とネットでは騒がれますが、ぼくが覚えてる限り、その後に毎回大きな地震が起こった記憶がないのですよね。
今回の異臭騒動も、同じ臭いがしています。
できごとの関連性を誤って理解してしまうわけ
話は本にもどりますが、作者は以下のようなことをおっしゃっています。(本文をそのまま引用)
目立ったことが2つ続けて起こると、単にその2つの出来事が目立つという理由だけで、両者の間に関連性があると判断することがよくある。これが関連性の錯誤です。
二つのできごとに本当に関連があるのかどうかを正しく判断したかったら、夢を見なかったときの事故や、事件が起こらなかったときの夢など、四文表(下表)のすべてのマスの割合を考慮しなければなりません。
四分表 (『夢で見た事件が、現実に起こったと』いう例)
事件が起こった | 事件が起こらなかった | |
夢で見た | A | B |
夢で見ていない | C | D |
ほとんどの人は、まず自分なりにルールを考え(仮説を立て)て、それを検証するために質問します。
この仮説検証のパターンには「自分の仮説があっていればこうなるはずだ」というように、仮説にあっている事例(正事例)を質問して確認しようとする傾向が強く出ます。
逆に、仮説が正しければこうはならない事例(反証例)を出してたしかめようとする人はほとんどいません。
このような、仮説を正事例で確証しようとする思考傾向は、「確証バイアス」と呼ばれています。
確証バイアスは人の認知に関するバイアスの中でもっともよく知られており、広く観察できる現象の一つです。
この確証バイアスには二つの側面があります。
一つは、人はそのときにもっている信念や仮説に合致する情報を求める傾向をもつこと。
もう一つは、これと表裏一体ですが、潜在的にでも反証となる証拠の収集を避ける傾向をもつことです。
これですよ、これ。
人間の感覚なんていい加減で、思い込みによるバイアスが強くかかった結果、誤った判断をしてしまう、ということをおっしゃってます。
だから、先の三浦半島の異臭騒動に関しても、事実かどうかは『異臭』が『大地震の前兆』と関連性があるかどうかは、(研究によって証明されていない限りは)上のような四分表を作って、ちゃんと検証がなされるべきだと思います。
インターネットで盛り上がるのはいい
こういう嘘だか本当だかわからないけど、興味を引く話題は、インターネットでで面白がっている分にはいいと思います。ネットって、そういうところですから。
正しい情報も、正しくない情報も、ごっちゃにあるし、見ている人たちもそういう場所であることは理解して見ています。誰かを傷つけない限りは自由な発言が飛び交っても問題ないでしょう。
真に受けて信じちゃっている人もいるとは思いますが、すべては自己責任です。
ニュースでやるのはマズい
しかしテレビのニュースで『大地震』との関係を匂わすような取り上げ方をするのはどうかと思う、ワイドショーじゃないんだから。
ニュースは、ただただ事実を伝えるべきだと思うのです。
公平で客観的な立場を装って、正しくない情報を発信するやつはホントにクソだと思います。
ぼくもすべてのニュースを見ているわけじゃないけど、最近のニュースのやり口から想定すると・・・
学者に 『異臭』と『大地震』の関係をインタビューしておいて、
①最初から、ニュースの制作が望むように、「関係がある」と発言してくれる、都合の良い学者にインタビューするケース
②学者はちゃんとした人で、きちんと事実を説明しているのだけれど、「関連性はまだ証明されていない。あるかもしれないし、ないかもしれない」というような発言をすると、意図的に「あるかもしれない」というところだけを切り取って放映する。
というような、①か②のやり方で、『関係ある』という印象を与えることをやります。(それに近いようなものは、すでに見たような・・・)
視聴者は、ニュースをいちいち疑って見ないですから、こういうのはホント悪質だと思うのです。言ってみれば洗脳ですよ、洗脳。
さいごにひとこと
ちなみにニュースと関係ないですが、最近はバラエティ番組で、食レポが多いですね。
レポートしているのは、芸人さんが主にやっている印象ですが、大げさに「ウマっ!」とかいうのは、もう見飽きました。(全部が全部、美味いわけないだろ)
「普通だ」とか、「不味い」とか、正直に言ってほしい。芸人の豊かな表現術で、ぜひ言ってほしい。
「不味い」って言って、逆張りで視聴率を取ろうとする番組もあるでしょうから、むしろ「普通」とか、「もう一歩」的な発言が聞けるようになったら、ほんとに美味いものと、そうでないものが区別できるようになるでしょう。
スポンサーがあるから、そういうことはできないだろうけど。。。
今日はここまで、はばぐっでい。