生きて~る、生きている~♪ そのうつつだけがここにある♪
『死ぬ瞬間の5つの後悔』を読んだのでその紹介を。
この本、てっきり『前向きに生きていくためのノウハウ』を提供してくれる、そういう自己啓発本だと思って買った。
でも、読んでみたら違ったんだなこれが。
正直、タイトル詐欺じゃないかと思ってしまったくらい。
特に『5つの後悔』となっているけれど、読み終えた後で「はて?5つの後悔って何だったかな?」と。
本編終了後のおまけ、”訳者の後書き”に、「5つの後悔は ”これ” と、”これ” と、”これ” です」っていう説明が出てきて、「へー」って思って、少し経って二度見して、「へ?そうだったの?」。
あ!でも勘違いしないでください。本としては大変良かったです。
この本がおすすめな人はこちら
フジテレビ『ザ・ノンフィクション』とか、NHK『72時間』が好きな人
どんな本?
オーストラリア人であるブロニーさんの体験談。
冒頭で触れたけれど自己啓発本というより、ノンフィクションでありドキュメンタリーな内容。
著者は以前、住み込みで終末期患者の介護をする仕事をしており、この本の主人公は、そこで出会った患者ひとり一人。
患者が死を目前にして語る、人生における後悔を集めた短編集。
例を挙げると、
- 仕事では成功したが家族との関係がおろそかになってしまった老人
- 親の言うなりで自分の人生を歩んでこなかった中年女性
- アルコール依存症でまわりの信頼を失ってしまった女性
などなど、個性豊かな主人公たちが登場する。
感想
<5つの後悔>
- 自分に正直な人生を生きれば良かった
- 働き過ぎなければ良かった
- 思い切って自分の気持ちを伝えれば良かった
- 友人と連絡を取り続ければ良かった
- 幸せを諦めなければ良かった
各患者のストーリーは、『5つの後悔』に分類されて展開する。
しかし、読み終えてみても、全然ぼくの心には響かなかった。
いや別に『5つの後悔』に違和感があるわけではない。
理由は、個々のストーリーに没入感があって、のめり込んでしまったから。
まるで映画を見ているようだった。
スクリーンの向こうの世界の出来事に感じてしまった。
ああ、いい話だったなっていう、そういう本でした。
特に、患者が亡くなるシーンでは、目がうるうるした、何回もだけど。
この本から学ぶこと
各登場人物の後悔に共通することは、「もっと働けば良かった」「もっとお金を稼げば良かった」と言った人は、誰一人としていないということ。
”仕事”って何なのか、”お金”って何なのか、考えさせられる本でもあった。
なお、1話1話終わるごとに『ザ・ノンフィクション』のテーマ、サンサーラが頭に流れてきた。
生きて~る、生きている~♪ そのうつつだけがここにある♪
生きることは~ サンサーラ あ~あ~♪
・・・この本だと、最後はみんな生きてないのだけど。