イヤフォンには、「マイクが付いていて通話ができるタイプ」のものがある。下の写真を見て欲しい。両方とも「イヤフォン」なのだが、片方は「マイク付き」でもう一方は「普通のイヤホン」。あなたは区別できるだろうか?
どうもこんちは。てんむす@どすこい一番星です。
今回はマイク付きイヤホンを「マイク」と「イヤホン」に分岐させるケーブルを買ったという話。
先ほどの質問の答えに戻るけれど、答えは以下の通りだ。
左(オレンジ):「マイク付きイヤホン」
右(ブラック):「ただのイヤホン」
見た目はまったく変わらない。でもマイクが有るのと無いのでは、使える場面が大きく異なる。特にオンラインミーティングが一般的になった最近、ほとんどの人はマイクが必要になった。マイク「有り」と「無し」は区別できるのだが、その話は順を追って解説しよう。
マイクとイヤホンに分岐させるケーブル
今回買ったのは。エレコムの「マイク付きイヤホンをPCで使用するための変換ケーブル AV-35AD01BK」だ。
片側は1本(メス)で、反対側は2本(オス)に分岐しているケーブルである。
買った理由は「会社から支給されたノートPCでヘッドセットを使うため」だ。しかし、これを買うまでにも紆余曲折した背景があるのだ。後ほどお話ししよう。
イヤホンにマイクがついているか判別する方法
あなたの持っているイヤホンにマイクが付いているか判別する方法について順を追って説明しよう。
ジャックとプラグ
童話の「ジャックと豆の木」を想像してしまうかも知れないが、そうではない。
下の写真を見てもらえば分かると思うが、「プラグ」は挿す側の端子(オス)、「ジャック」は挿される側の端子(メス)のことだ。ちなみにイヤホン用のプラグは端子部分の直径が3.5mmであり「ミニプラグ」と呼ばれている。
5年くらい前になるだろうか、iPhone7からイヤホンジャックが消えたときに騒ぎが起きたのを覚えているだろうか?
それ以来、Andoroidスマホも追いかけるようにイヤホンジャックを廃止している。そんなニュースから、うっすらと穴のことを「ジャック」と呼ぶのは知っている人も多いと思うが、挿す方が「プラグ」というのは「なるほど」と思う人が多いのではないか。
3極と4極
「マイク付きイヤホン」と「ただのイヤホン」は、プラグの形状をみればわかる。
上の写真は「ただのイヤホン」のプラグだ。横線が2本入っていて「3極」と呼ばれている。
「3極」というのは信号を送る”極”が3つあるからだ。つまり3つの異なる情報を並行して送ることができる。
こちらはマイク付きイヤホンのプラグで「4極」と呼ばれている。「ふつうのイヤホン」と比べて、プラグに入っている横線が1本多いのがわかるだろう。さきほどの3極よりも極が一つ増え、そこをマイクの信号に使っているという仕組みだ。
他にもモノラルイヤホンの2極や、ノイズキャンセル機能がつかえる5極なんてのもあるが、詳しい話はしないでおく。もっと知りたい人は「身近なオーディオマニア」に質問してみて欲しい。何時間もかけて細かく丁寧に教えてくれることだろう。
もし、あなたの部屋にイヤホンが転がっていたら、プラグの形状を見てほしい。
ちなみに「3極」でもマイクが使える「マイク付きモノラルイヤホン」というものも以前はあった。でもレアケースなので考慮しなくて良いと思う。
PC側のジャックの話
次に、PCについているジャックの話。特にデスクトップPCを触ったことがある人はカラフルなジャックがついているのを見たことがあるだろう。目的ごとに、緑、ピンク、青、白、黒、黄色の6色があるが、この6色とは別に「ヘッドセットジャック」というのがある。
緑のジャック
緑は「音声出力」用のジャックだ。スピーカーやイヤホンはここに挿す。マイク付きイヤホンを挿した場合はイヤホンとしてのみ機能する。
赤のジャック
赤は「マイク」用のジャックだ。マイクはこっちに挿す。もしマイク付きイヤホンを挿した場合はマイクとしてのみ機能する。
ヘッドセットジャック
最近のPCには「ヘッドセット」用のジャックが付いていることが多い。先ほどの6色とは別で「色が決まっていない」ようなので、印字されたマークで判断するしかない。ヘッドセットジャックがあれば、マイク付きイヤホンで聞くことも話すこともできる。
上の画像は10年近く前のMacBookのものだが、印字されているマークに「マイク」がついていないのがわかるだろうか。つまりこれは「ただのイヤホンジャック」なのである。うかつにも騙されてはいけない。古いPCの場合は注意が必要だ。
下の写真はぼくのデスクトップPCのものだ。なんと5種類のジャックがついていた。このお得感たるや。。。
役に立たない無駄な知識
あと無駄な知識をひとつ。マイクの付いていない「イヤホン」でも「マイク」になるのはご存じか?
「お前は何を言っているんだ」と思うかも知れないが、大真面目な話である。
こちらを聞いてみて欲しい。マイクの付いていないイヤホンを「マイクジャック」につなぎ、上の絵で丸で囲ったスピーカー部分で音を拾って録音した物だ。ノイズばかりで聞き取りづらいが、わずかに音楽がきこえるはずだ。
実用できるレベルではないが「へぇ、なるほど」という話。スピーカーとマイクは基本的な構造が同じということだ。
逆に「マイクで音が聞こえるか」も試してみた。ピンマイクを「イヤホンジャック」につないで耳に当てて音を聞いてみたが、何も聞こえなかった。深夜3時の出来事である。ふと我に返り「自分はいったい何をやっているんだろう」という、いたたまれない気持ちになった。
もっと大きなマイクをつないだら音が聞こえるのかもしれないが、その真偽はさだかではない。誰か知っている人は教えて欲しい。
迷走はいつものことだ
ここからはぼくのくだらない話を聞いていただきたい。Elecomの分岐ケーブルを買うまでの試行錯誤なストーリーだ。
当初の目的は「会社から支給されたノートPCでヘッドセットを使いたい」というものだ。
マイデスクトップPCと会社ノートPC
もともとヘッドセットを1つ持っている。オンラインマルチプレイのゲームをするときの雑談用でもあり、その他にゆったり音楽を聴くためにも買ったものであるが、実態としては「家族が寝静まったころに、こそこそとPCを使うため」である。
ぼくの部屋には愛用の「デスクトップPC」と、「会社から支給されたノートPC」がある。会社ノートPCはリモートワークで使っており、仕事中は「ミーティング」や「内線電話」でオンライン通話することがたくさんある。
会社ノートPCには備え付けのマイクがあるので、ヘッドセットを使わなくとも会話はできる。しかし、うちの奥さんがウクレレを弾いたり、突然歌い出したり、テレビを見ながら独り言を言ったりしているので、ヘッドセットは欠かせない。あと宅配業者がインターフォンを鳴らすと、うちの子(ポメラニアン)が「ワンワンワンワンワンワンワン!」である。ミーティング中にその音声を拾ってしまうと、とても微妙な空気になる。
そんなことから、既存のヘッドセットを「デスクトップPC」と「会社PC」とで併用していた。USBでつなぐタイプだ。
始業前には会社ノートPCにつなぎ、仕事が終わるとデスクトップPCにつなぎ直すという運用をしていた。1日に少なくとも2回(多いときはもっと)、USBを挿したり抜いたりしていたのだ。
USBというのは頻繁に抜き差しするものではない。摩耗による物理故障もあるが、Windowsがバグることもあるのだ。実際のところ、数回に一度はWindowsがブルースクリーンになり落ちるとトラブルも起こっていた。
万が一、会社ノートPCが故障しても痛くも痒くもない。会社に直してもらえば良いからだ。やましいことは何もない。
しかし、自分のデスクトップPCが故障した場合、もしくはヘッドセットが故障した場合については誰も保証してくれない。直すのも手間であり「それは我慢がならん」と思い、会社ノートPCには別のヘッドセットを使うことを決心したのである。
会社ノートPCにはヘッドセットジャックが備わっていた。「それなら昔使っていたスマホについてきたマイク付きイヤホンをつなげば使えるんじゃないか?」と考えた。
しかし、実際に挿してみるとマイクが機能しなかった。ただのイヤホンとしてしか認識されない。会社のPCなのでWindowsユーザに管理者権限はない。確認できる設定も限られるし、ましてや変更はできないのでお手上げである。
第1のソリューション
できるビジネスマンは「素直にUSBヘッドセットを買ってハッピーエンド」だが、大人げなくもムキになってしまった。
先ほど触れたUSBヘッドセットは使えていたので、「よしUSBなら使えるんだな、ならばこれを食らえ」という気持ちになってしまった。引っ張り出してきたのは「USBオーディオインタフェース」。USB経由でミニプラグのイヤホン/ヘッドセットを接続するためのガジェットである。
改めてオーディオインタフェースを見てみると「イヤホンジャック」と「マイクジャック」がついている。マイクとイヤホンは別々に挿さないといけない。ということで、下の写真のようになった。
マイクジャックに「マイク付きイヤホン」を、イヤホンジャックに「ただのイヤホン」を接続するというストロングスタイル。会社ノートPCを撮影することはできないが、PCにはイヤホンが2つつながった状態だ。ちなみに、ぼくの耳の穴は2つしかない。とりあえず我々はこれを「ダブルマグナム」と命名することにした。
これでようやくヘッドセットとして機能するようになった。黒色イヤホンは耳に装着し、オレンジ色イヤホンはマイクとして使うのである。
しかし、予想もしない重大な問題に気づく。特に内線電話がかかってきた場合だ。電話には速やかに出る必要がある。ぼくが新入社員のころには「電話は2コールで取れ」という教育を受けている。
いざ内線電話がかかってくると、とっさにイヤホンを耳に装着する必要があるのだが、オレンジ色を装着するか、黒色を装着するかで明暗が分かれる。2分の1の確率である。失敗すると電話に出ても相手の声が聞こえないのである。これでは通話相手には迷惑を掛けてしまう。
あとイヤホン同士でケーブルがよく絡みます。
第2のソリューション
絡まった2つのイヤホンをほどきながら、ふと「ピンマイク」があるのを思い出した。さっそく片方のイヤホンを取り外し、「マイクジャック」にはピンマイクを装着する。
見た目のインパクトこそ失われたが、利便性はだいぶ良くなった。「耳に装着するのはどっちのイヤホンか」問題は解決。さすがに「ピンマイクを間違えて耳に装着する」ようなことはないからだ。そのあたりは「ちゃんとできる子」に育てられたので両親には感謝しかない。
しかしながら新たな問題が発生する。
ピンマイクは「顔の近くに持ってこないと音を拾ってくれない」代物である。いざ内線電話の呼び出しが鳴ると、まず「イヤホンを耳に装着」し、「マイクを顔の近くに持ってくる」という2つのアクションを終えなければ通話ができない。結果として、手間取って「内線に出でる前に電話が切れてしまう」ということが頻発した。
別の方法も試してみた。まず見切り発車で通話に出て、それからイヤホン・マイクを装着する方法だ。しかし、はじめの10秒間は会話が成立せず相手は困惑する。慌ててピンマイクを落とすという失態も何度かあり、相手の耳にクリティカルダメージを与えてしまった。ごめんなさい。
あと、マイクとイヤホンのケーブルがよく絡まります。
第3のソリューション
そしてついに「エレコム分岐ケーブル」の登場だ。Amazonで購入した。
オレンジ色のマイク付きイヤホンをこの分岐ケーブルにつないで、オーディオインタフェースにのマイクジャック、イヤホンジャックにそれぞれ接続する。
すっきりした。
これでマイク付きイヤホンだけで会話ができるようになった。おかげさまで内線にも確実でられるようになった。最近はこれで仕事をしている。
引き続きケーブルは絡まります。イヤホンってよく絡まりますよね?
今現在、USBヘッドセットを購入することを検討中。最初からそっちにしておけば良かったと後悔している。
追伸
昨年ふるさと納税で注文したトイレットペーパーが数日前に届いた。かなりの量で「トイレットペーパー1年分」に相当する。ここまで多いと置く場所に困りますね。そういえば、コロナ禍が始まった直後、2020年だったと記憶しているがデマ情報が拡散し「トイレットペーパー不足」が発生した。みんながパニックになりトイレットペーパーを一斉に買いだしたため店頭から商品が消える事態となった。今、わが家には1年分の取れ一途ペーパーがある。もしまたパニックが発生した場合でも、家族のお尻の安泰だと思って、保管場所に困る気持ちと相殺することにした。
今回はここまで。読んでくれてどうもありがとう。はばぐっでい。