この記事を書こうと思ってバックアップを見てみたら、どうやら2002年から写真・動画データを保存しているらしい。約20年分です。すごくないですか?
どうもこんちは。てんむす@どすこい一番星です。
このブログでは、最新の機器や、ITにあまり詳しくない人向けに「こんなのあるよ」と、生活が便利になる技術やガジェットなど紹介している。「へー」と思ってくれれば、別に使ってくれなくてもいいんだけど。
今回は写真・動画の保存方法について、故障などによる消失から防ぐ方法にフォーカスして、おすすめのやり方は何か?ということを解説する。ぼくが20年にわたって試行錯誤してきた保存法の最新版だ。
あらかじめ補足しておくと、今どきの写真や動画はスマホを使って撮影しているのが一般的だと思う。そのためスマホ撮影したものをメインに解説するが、コンデジや一眼レフなどで撮っている人にも参考になると思うので、ぜひ最後まで目を通していただきたい。
また、まるめて書いているので、その辺りはご容赦いただきたい。イメージを掴んでもらうのが目的だ。
さて、本題に入っていく。
初めに結論を
結論からお伝えすると以下のとおり。
いくつかのやり方あり、人によってそれぞれ向き不向きがある。自分に合った条件から最適なものを選ぶべき。
・お金をかける覚悟はあるか
・保存するデータの量はどのくらいか
・保存するだけなのか、編集するのか、アルバムとしても見たいのか
やり方としては主に3つ
・外付けメディアに保存
・クラウドに保存
・NASで保存
ただし、多くの人の場合はクラウドに保存するのがベストだろう。
20年間、写真・動画データを消さずにここまでこれた
先ほど書いたとおり、20年間にわたって写真・動画データを消さずに保管してきた。途中一度でも消えたらこの記事は書いていない。なんとなく、ここまで来たわけではなく、保存方法について気を遣って試行錯誤してきた。
おおよそ20年前、ぼくはコンパクトデジカメの『CASIO EXILIM EX-S2』を買った。当時はスマホなんて無かったし、携帯電話にカメラもついていなかった。だから写真を撮るためにはカメラが必要だった。
『CASIO EXILIM EX-S2』は、”カードサイズ”と宣伝されていたくらい、小さくて薄いカメラだった。オートフォーカスもないし、光学ズームはついていなかった。重さは88gらしい。今のスマホより圧倒的に軽い。
ぼくが初めて買ったカメラで、おもちゃみたいだったから、家を出るときはいつも首からさげており、何でもかんでも撮っていた。
当時は「情報漏洩」とか「コンプライアンス」なーんて話題は全くなかったもんだから、会社にも持っていていたし、事務所でも普通にパシャパシャと撮影していたもんだ。(後にこのカメラはベトナム旅行中にひったくられてしまう。)
それからずっと写真を撮ってきた。写真撮影の技術なんて勉強したことはないし、撮影したものを加工することも無いので、もっぱら撮りためる専門だ。
今まで撮ってきた写真には、ぼくの思い出がたくさん詰まっている。特に結婚してから、さらにはうちの子(ポメラニアン♂)が家族になってからの写真は宝物だ。
読者のみなさんにも少なからず、宝物のように大事な写真・動画があると思う。
バックアップの重要性
ハードディスクやスマホは意外と壊れる
ハードディスクは意外と衝撃に弱い。パソコンでディスクランプが点いているとき(読み書きしているとき)に、パソコンの近くを「ドン!」と強く叩くとその揺れだけであっさり壊れる。
理由は壊れやすい構造にある。ハードディスクを覆っている小さな箱の中では、たくさんの円盤が高速でまわっており、その円盤の上に沿うように読み取るための棒状のものが突き出ている。キュイーンという音が鳴るのは円盤が回転する音だ。物理的に動くところがあるということは、衝撃が加われば壊れやすいと言うことだ。
スマホに関しては、記憶媒体として中にフラッシュメモリというものが入っている。ハードディスクとは構造が違うため揺れくらいでは壊れない。しかし、スマホ本体は常に持ち歩くことから、落とすことは日常茶飯事だ。誰もが一度は経験があることだろう
落とした結果、画面が割れるくらいなら可愛い方だけど、本体がお亡くなりになることだって十分にある。
故障した場面を何度も見てきた
ぼくはパソコン歴も長いし、仕事がIT関連なので、今までハードディスクやスマホが故障する場面を多く見てきた。
実際に身のまわりだけでなく、ぼく自身ハードディスクが壊れたことは何度かある。なんの前触れも無く、ある日突然にお亡くなりになる。
故障したらアウトだ
ハードディスクやスマホ故障した場合、データの復活は難しいと考えた方が良い。
ハードディスクが故障するとデータが読めなくなる。
スマホの場合、本体が故障しても中のフラッシュメモリは無事なことがあるが、一般人では読み出すことができない。
データリカバリを専門としている業者に持って行けば、救済できることもあるし、それでも無理な場合もある。仮に復活できたとしても”授業料として”けっこうなお金が飛んでいくだろう。
故障はいつ起こるかもわからないので、事前準備が必要だ。考え方としては、災害に備えて防災グッズを用意しておくようなものだ。
安全に写真・動画データを保存する方法
ここからは写真・動画データの保存法と、それぞれどういう人が向いているのかを説明する。
1.外付けメディアに保存する
メリット・デメリット
メリット
・外付けメディアの初期費用だけで済む
・データ容量は気にしなくて良い
デメリット
・定期的に作業が発生し面倒くさい
・自宅のパソコンからしか閲覧ができない
・リアルタイムでデータが保存できない
自前のメディアにバックアップするという最もスタンダードな方法。
保存した外部メディアも故障する可能性があるので、パソコン内でもデータを持って二重化しておくことが必要。
外付けメディアとしては、ハードディスク、USBメモリ、ブルーレイなどで、コストとしてはメディア購入代だけで済む。一番安上がりな方法だ。
スマホよりも外付けメディアの方が容量が大きいため、保存容量は気にしなくていいと言える。
スマホからデータをパソコンに取り込む。それがある程度貯まったら、パソコンから外付けメディアにバックアップを取るという手間を定期的に行う必要がある。作業が面倒くさいのと、忘れた場合はバックアップが取れない。
また、バックアップしたデータはメディアを持ち歩かない限り、外では閲覧することができない。
どんな人に向いているか
- あまりお金を掛けたくない
- 手間は惜しまない
- 忘れずに定期バックアップができる”まめ”な性格
- 外でデータを閲覧する必要が無い
安上がりだし、この対策だけでも十分だと思う。しかしリアルタイムで保存されないので、ハードディスクやスマホが故障した場合は、前回バックアップをしたところまでしか残らないのが注意点。そのため、定期的にバックアップするのが苦手という性格の人は向かない。
(参考)外付けメディアの値段
ハードディスクは2TBが8,000円程度で買える。
USBメモリは512GBで5,000円~10,000円程度。
ブルーレイは専用ドライブが8,000円で、ブルーレイディスクは25GBのものが50枚入りで3,000円くらい(※)。
※ブルーレイは1度しか書き込めないもの、再書き込みできるものとがあるので購入時は注意。上に書いた値段は、再書き込み可能なBD-REの相場。
2.クラウドに保存する
メリット・デメリット
メリット
・自動でバックアップを保存してくれる
・どこからでもアクセスできる
・整理する必要が無い
デメリット
・ある程度の容量は無料
・一定量を超えるとデータ量に応じて月額課金
『iCloud』、『Google Photos』、『Amazon Photos』などのクラウドサービスを使う方法。有名なので、誰しも名前くらいは聞いたことくらいはあるだろう。
『Apple』、『Google』、『Amazon』といった企業が自分の代わりに写真・動画データを安全に保存してくれる。まず消えることはない。
スマホで一度設定すれば、その後撮影したデータは自動的に、ほぼリアルタイムでバックアップを取ってくれる。またスマホ以外で撮影したものや、クラウドを使い始める前に撮ったものなどをアップロードして保存することもできる。
どこからでもアクセスでき、バックアップだけで無く、過去に撮影したものを閲覧したりもできる。
クラウド上では日付ごとや、人物・景色といったカテゴリーごとにソートできるため、整理する必要が無いのも便利。
サービスごとに容量は異なるが、ある程度のデータ量までは無料。しかし、それを越えると容量ごとの定額課金が発生する。
料金表は以下のとおり(2021/10現在)。
Google photos | iCloud | |
---|---|---|
5GBまで | 無料 | |
15GBまで | 無料 | |
50GBまで | 130円/月 | |
100GBまで | 250円/月 | |
200GBまで | 380円/月 | 400円/月 |
2TBまで | 1,300円/月 | 1,300円/月 |
※『Amazon Photos』は、料金体系が比較できなかったので 詳しくはAmazon Photosのサイトを確認して欲しい。どうやら、Prime会員であれば容量無制限で写真を保存できるが、動画は容量ごとの課金が発生するようだ。
どんな人に向いているか
- バックアップに手間は掛けたくない
- 整理に手間を掛けたくない
- 企業にデータを預けることに抵抗がない
- 月額課金でもいい
少しお金を掛けていい人には、一番コスパの良いバックアップ方法。多くの人はこれがベストだと思う。
”サブスク”とか”月額課金”が大嫌いなぼくは、今までクラウド利用は”コスト高”だろうと思っていた。しかし資料を集めて調べてみると、この後に紹介するNAよりもコスパが良いことがわかった。
外部にデータを預けることに抵抗がある人を除いて、手間がかからず、リアルタイム性も有り、金額的にもリーズナブルなので、この方法が一番いいと思います。
しかし、Amazon Photsは写真だけであれば容量無制限で保存できるというのには驚いた。
3.NASに保存する
メリット
・データ容量は気にしなくて良い
・どこからでもアクセスできる
・家族みんなで共有できる
デメリット
・初期費用と、ランニングコストがかかる
NAS(通称なす)を自宅に設置してデータを保存する方法。
端的に言えばファイルサーバーだ。今回は写真・動画のバックアップをメインに書いているので詳しくは触れないが、NASは写真以外も保存できる。
導入は初心者でも決して難しくない。説明書通りにやれば設置も設定も簡単。
データはNAS本体のハードディスクに記録するため容量は気にしなくて良い。本体にはハードディスクが複数入っており、それぞれにデータのコピーを持つので1台が故障してもデータは消えない。
外出先からもリアルタイムでバックアップや閲覧ができる。
複数の端末で使えるし、家族みんなで利用できるので、ちゃんと使う人には利便性が一番良い。
その反面で、費用面の負担が大きい。
NASの本体は25,000円から。ランニングコストとしては電気代が400円/月くらいする(電源入れっぱなし)。
どんな人におすすめか
- 複数のスマホ、タブレット、PCなど端末がありデータを共有したい
- 家族みんなでバックアップをとりたい
- 家族みんなでデータを共有したい
- 撮影が趣味である
- ある程度のコストは覚悟できる
自分でデータを安全に管理したい人に向いている。また複数の端末(スマホ、タブレット、PCなど)で使いたい場合や、家族みんなのバックアップ先として使いたい場合にもオススメだ。
特に家族が多く、それぞれが複数台の端末を持つ場合は、利便性やコスパに対するシナジーは大きい。
その他、写真や動画を本格的に撮影する人、撮ったものを加工する人などはアクセス速度などを考えてもNAS一択だろう。
20年間の写真・動画データはどのくらいか
下の写真は『CASIO EXILIM EX-S2』で2002年に撮ったものだ。リサイズ等の一切の加工をしていない撮影のまんまの画像。(※クリックで大きくなります)
ファイル容量はわずか700KBだ。今ぼくがつかっているスマホ”Galaxy S9+”で撮影すると4MB。ここ20年で約6倍のサイズになっている。
思い出してみれば、ぼくが写真を撮り始めた20年前は、定期的にCD-R(700MB/1枚)に焼いてバックアップしていた。最近はそんな手間を掛けずともよく、便利になったものだと思います。
ここ最近6ヶ月で撮影した写真・動画の容量を計算してみたら、1月あたり平均で1GBになっていた。
ぼくの場合は、うちの子(ポメ)が可愛くて仕方ないので、ことあるごとに撮影している。あまり撮らない人は1ヶ月で1GB以下、子どもやペットの写真をよく撮る人は1GB程度、本格的に撮影する人はそれ以上と考えたらよろしいかと。
それと2002年からの(約20年間の)全ての写真・動画データの合計を計算してみたら約400GBありました。
ちなみにぼくはNASで保存しています。この400GBを『Google Photos』や『iCloud』で保存しようと思うと、”2TBまで”というプランになる。毎月の料金は1,300円だ。NASの場合は本体が25,000円で毎月の電気料金が400円。
これで計算すると、2年と少しで損益分岐点にぶち当たる。
だからぼくみたいに蓄積してきたデータ量の多い人(200GB以上になったら)は思い切ってNASを導入した方がコスパ的にもいいと思います。
あ、NASは本体が25,000円と書いたけど、もっと安いのがありました。2TBが20,000円で買える模様。
これから端末の高性能化とともに、写真や動画の容量はさらに増えていくだろうし、並行してクラウドの容量当たりの利用料も下がっていくと思うので、この先状況は変わると思いますが。
次回予告とお礼
次回はNASについて、もう少し書いてみようと思う。
ここまで読んでくれてどうもありがとう。
では、また。はばぐっでい。